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相続とは、亡くなった人の財産を生きている身内が継ぐことです。財産には金銭、有価証券、 動産、不動産、物権、債権などがあります。
また、忘れてはいけないのが「借金」などの負の財産もあるということです。プラスの財産は相続したいけどマイナスの財産は相続したくないですね。「世の中そんな都合のいいことできるわけない。」いいえ、それができるんです。別途説明いたします。
遺産の相続人となれる人は、配偶者と直系尊属(子、父母など)および兄弟姉妹です。
配偶者は常に遺産の相続人になり、その他には遺産の相続順位があります。配偶者の父母やおじおばは遺産を相続できません。
※配偶者とは婚姻届を出して夫婦となった相手のことで内縁者は配偶者にはなりません。また、遺産の相続開始時に胎児であった者も既に生まれたものとみなされ、生きて出産されると遺産の相続人になります。
第一位 | 子 |
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第二位 | 父母(直系尊属)※親等の近いものから順に |
第三位 | 兄弟姉妹 |
代わりに遺産を相続することを代襲相続といい、直系卑属(直接の血のつながりのある子孫)と兄弟姉妹の子に認められます。配偶者の父母、おじおばは遺産の代襲相続もできません。
おじおば、甥姪の子、配偶者の父母以外に、本来なら遺産の相続人になるはずの人で遺産を相続できない(させてもらえない)人がいます。それが「廃除」「欠格」です。廃除については、遺言の「相続させたくない」をご覧 ください。
欠格は、その遺産の相続について不当に利益を得ようとした者を当然にその権利を剥奪する制度です。廃除のように遺言相続人から除外するのではなく当然に適用されます。
遺産の相続は死亡によって開始します。そして、そのときから遺産の相続にまつわる各種の期限は刻々と近 づいているのです。
法律・財務手続 | 税務 | |
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すみやかに |
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7日以内 |
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3ヶ月以内 |
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4ヶ月以内 |
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6ヶ月以内 |
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10ヶ月以内 |
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下記に必要書類と主だった手続と窓口を一覧にしていますので参考にしてください。
取得するところ | 取得するもの | |
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遺産の被相続人に 関するもの |
臨終時の病院、医師 | 死亡診断書 |
遺産の被相続人本籍地の市区町村役場 | 戸籍謄本、改正原戸籍謄本、戸籍の附票 | |
住所地の市区町村役場 | 住民票 | |
遺産の相続人に 関するもの |
遺産の相続人本籍地の市区町村役場 | 戸籍謄本 |
住所地の市区町村役場 | 住民票、印鑑証明書 | |
家庭裁判所 | 特別代理人選任申立書(相続人に未成年者がいて、かつ法定代理人(親権者)と利益が相反する場合) | |
不動産に 関するもの |
住所地の市区町村役場 | 固定資産評価証明書、名寄帳 |
法務局 | 不動産登記簿謄本、土地図面、建築図面 | |
遺産の被相続人の所持物の中から | 不動産登記済権利書、不動産賃貸借契約書 | |
不動産を取得する遺産の相続人 | 相続登記委任状 | |
金融資産 ほか財産 |
銀行、郵便局など | 預貯金残高証明書(既経過利息計算書)、公社債残高証明書、相続届 |
証券会社 | 株式名義書換請求書、保有株式の明細書 | |
遺産の被相続人の所持物の中から | 生命保険証券、電話加入権証書、ゴルフ会員権証書、自動車検査証、絵画・骨董品・宝飾品等の明細、何らかの権利あるものはすべて列挙 | |
債務 | 遺産の被相続人の所持物の中から | 金銭消費貸借契約書(借金の証文)、ほかの債務契約書 |
葬儀社 | 葬儀費用領収書、葬儀明細書 |
手続 | 窓口 | 必要書類ほか |
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死亡届 | 住所地の市町村役場 | 死亡診断書、届出人の印鑑 |
葬祭費・埋葬料の申請 | 住所地の市町村役場、 社会保険事務所 |
保険証、死亡診断書(または火葬・埋葬許可書)、葬儀費用領収書、申請人の印鑑 |
年金・保険の手続 (遺族年金、未給付金の請求) | 届出書、年金手帳、戸籍謄本、埋葬料請求書、死亡診断書、火葬証明書写し、被保険者証、請求人の印鑑 | |
生命保険の死亡給付金の 請求 |
保険会社 | 死亡診断書、生命保険金請求書、保険証券、最後の保険料領収書、遺産の被相続人の除籍謄本、受取人の戸籍謄本、受取人の印鑑証明書とその印鑑 |
遺産の被相続人の所得税の 準確定申告 | 住所地を管轄する 税務署 |
遺産の被相続人の所得税の確定申告書、申告人の印鑑 |
遺産の相続税申告・納付 | 遺産の相続税申告書、申告人の印鑑 | |
不動産の名義変更 | 当該不動産を管轄する 法務局 |
所有権移転登記申請書戸籍・除籍謄本、固定資産評価証明書、住民票、遺産分割協議書、印鑑証明書とその印鑑 |
預貯金、有価証券等の 名義変更 |
銀行・郵便局・証券会社 | 遺産の被相続人及び相続人の除籍・戸籍謄本、預貯金通帳、株式名義書換請求書、株券、遺産分割協議書、印鑑証明書とその印鑑 |
自動車の名義変更 | 陸運局 | 自動車車検証、自動車損害賠償責任保険証書、戸籍・除籍謄本、住民票、遺産分割協議書、印鑑証明書とその印鑑 |
上記では主だったものを挙げていますが、各手続ともご自分でやる場合には必ず手続窓口に、事前に確認されることをお勧めいたします。
遺産を相続してみたら借金だらけだったみたいなことになったらたまりませんよね。昔々なら亭主や親の借金の形に女房子供が取られるなんてことがあったようですが、現在では女房子供の人権がありますからそのようなことは法で守られています。しかし、法も、何もしなければ借金も遺産の相続人が納得して承継したものとみなします。(遺産の相続の単純承認)
そこで、遺産の被相続人の相続の開始があったことをしったときから3ヶ月以内に、家庭裁判所に遺産の相続の放棄を申し立てれば、借金を相続しなくて済みます。
しかし、この場合は一切の相続財産を放棄することになりますので、もし相続財産より借金が 少なくてプラスの財産が残った場合でも相続することはできません。その財産は国のものになります。
どうしたらそのプラスの財産をもらえるか?遺産の相続財産がプラスかマイナスかは不明ですが、プラスのときは遺産を相続しますというのが遺産相続の限定承認です。
遺産相続の限定承認の申述書、申述人の戸籍謄本、 遺産の被相続人の戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本(出生から死亡までのすべての戸籍謄本)、住民票の除票、財産目録等を揃えて家庭裁判所に申し立て、認められればプラスの財産が残ったときはそれを相続することができます。
※遺産の相続人が複数いる場合、この限定承認はその全員で申述する必要があります。
遺産の相続財産が遺言によって、他人にすべて贈るとされていたらどうでしょう?遺族にとってはたまりませんよね。何とか取り返したいと思うのも無理ありません。
但し、故人の意思も尊重しなければなりません。そこで、民法ではその両者の調整を図って遺留分(「遺言でできること」を参照)という権利を遺産の相続人に与えています。
もし、配偶者・子であれば1/2、直系尊属のみであれば1/3を受遺者から取り戻すことができます。
遺留分減殺請求をするには、遺産を相続開始する1年前から遺留分を害する贈与または遺贈があったこ とが要件になります。残念ながら遺留分を害しない分は取り戻せません。
具体的には、内容証明郵便等で遺留分減殺請求権を行使する旨書面(口頭でも良い)により受遺者に通知し、意思表示をし、請求に応じてもらうことになります。請求に応じない場合は、家庭裁判所に調停の申立てを行います。遺留分減殺の請求期間は遺産の相続が開始し、遺留分を害する贈与・遺贈があることを知った時から1年以内かつ相続開始から10年以内にする必要があります。その期間内に請求しなければ時効により権利が消滅します。
時効が迫っているときは、取り急ぎ内容証明郵便による請求(法律的には催告といいます)をしておき、そのあと6ヶ月以内に裁判上の請求をすれば、当初の請求時点で 時効が中断しますので、その意味でも、内容証明郵便で通知することをお勧めします。
前述したように、遺産の相続人は配偶者、直系血族、兄弟姉妹および代襲者です。遺産の相続人を確定する にはそれらになる可能性のある人が生きているのか死んでいるのか、また生きているならどこにいるのかを戸籍、除籍、改正原戸籍や戸籍の附票を丁寧に読み解いていく必要があります。 これを遺産の相続人調査といい、故人が生まれる前にまで遡って戸籍を順に追っていきます。
このためには、二度、三度と役所に請求する必要があり、また自分が記載されている戸籍はともかく、 それ以外となると請求可能な人の委任状または関係を証明するものを提示する必要があるなど複雑かつ面倒な作業になります。
せっかく遺産分割協議も済んだのに、あらたな遺産の相続人が現れて、また一からやり直しといったトラブルを防ぐためにも、弁護士や行政書士などの専門家に依頼することで、安心かつ確実な遺産の相続人調査が可能となります。
遺産の相続財産の分割の方法が決まれば、それを遺産の相続人全員の合意として書面にまとめます。
これを遺産分割協議書といいます。遺産の相続人全員の合意を証する書面として、各種の名義変更に 必要な書類でもあります。
などを具体的に特定して、合意した日付を記載し、遺産の相続人全員の署名押印の上、遺産の相続人の人数分および手続に必要な枚数分を作成します。
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